
那賀ウッドは、森林・竹林の管理を推進し、豊かな自然環境を未来の世代へと繋いでいくという想いのもと、徳島県那賀町産の杉をはじめとする地域材を活用した製品づくりに取り組んでいます。
そんな私たちに、ある日、一つの出会いが訪れました。兄弟会社が運営する秋田県仙北市のイチゴ農園をきっかけに、角館で樺細工製品の製造販売を手がける老舗「八柳」とつながったのです。
東北の山桜の樹皮を用いた伝統工芸「樺細工(かばざいく)」。その奥深い魅力と歴史について、まずはご紹介します。
山桜の樹皮が織りなす伝統工芸「樺細工」
「樺細工」と聞くと、カバノキを使った工芸品を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし実際の材料は、山桜の樹皮です。語源は万葉集の長歌の中で山桜を「かには」と表現したものが、後に「かば」へと転化したと言われており、その言葉がそのまま工芸品の名になりました。
材料となる樹皮は、東北の厳しい自然環境の中で育った山桜から採取します。注目すべきは、樺細工に向くのは、ほかの植物に遮られて光も十分に当たらず、栄養も行き届かなかった、いわゆる「貧木」から取れる樹皮であるという点。過酷な環境を生き抜いたからこそ、耐久性・防湿性・美しい光沢という優れた特性が宿ります。日々手に触れるほどに光沢が増し、山桜独特のつやが深まっていくのも、樺細工ならではの魅力です。
また、天然素材であるため、全く同じものは世界にひとつとして存在しない、一つ一つが唯一無二の製品です。
樺細工が普及・発展したのは江戸時代後期(1775年頃)のこと。下級武士の副業として製作され始めたそうです。
当初は印籠やタバコ入れなどの小物が中心でしたが、茶筒や小箱など用途を広げながら発展を続けました。
昭和51年(1976年)には国指定伝統的工芸品に指定され、今もなお、多くの人々に愛され続けています。
八柳~樺細工と向き合い続けて150年~
八柳は、明治9年(1876年)に秋田県仙北市角館にて創業。当初は下駄を中心に樺細工の製造販売を開始しました。
大正期(1912年頃)からは、お客様のニーズに応じて茶筒・茶道具から家具まで製造の幅を広げ、平成9年の秋田新幹線開業をきっかけに土産物向けの小物商品も開発。
時代の変化を敏感に捉えながら、樺細工の可能性を広げてきました。
2012年には樺細工の歴史などを学ぶ「樺ゼミ」を開始。樺細工の製作体験を通じ、国内外の方へ樺細工の魅力を伝えています。
また、材料不足解消のため2020年より山桜の植林も開始。材料となる山桜の森を自らの手で守り育てるという、未来を見据えた活動にも精力的に取組んでいます。さらに、近年では製造工程で生まれた山桜樹皮の端材を活用し、新製品「桜樺茶」を開発。山桜を余すことなく使っています。
樺細工と徳島杉のコラボレーション
徳島県産杉の活用に取り組む那賀ウッドと、山桜の森を守りながら樺細工の可能性を広げ続ける八柳。
国産・天然素材へのこだわりと、サステナブルなものづくりに共感し、何か一緒にモノづくりしたい・・・
そんな思いから「樺細工タンブラー」が誕生しました。
徳島県産の杉木粉を使って製作した軽くて丈夫なタンブラーを下地とし、そこに八柳の職人がひとつひとつ丁寧に樺細工を施しました。
手にしたときに伝わる木の温もり、山桜の樹皮がもたらすなめらかな口当たり。国産・天然素材へのこだわりが、日常のひとときを豊かに彩ります。
普段使いしやすいタンブラーに樺細工の魅力をプラスすることで、日常の中に天然の美しさを取り入れた一品となりました。
その品格と希少性から、企業の記念品としても高い人気を博しています。
時代を超えて愛される、サステナブルなものづくり
樺細工は、江戸時代から現代にいたるまで、時代とともに形を変えながら長く愛され続けてきた伝統工芸です。国産・天然素材を大切に活用し、地域の森を守りながらものをつくる。その想いは今も昔も変わりません。
那賀ウッドも、徳島の森を守るという想いのもと、樺細工との出会いを新たな一歩とし、これからも国産・天然素材にこだわったものづくりを続けていきます。
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